プレスリリース:https://www.nagoya-cu.ac.jp/press-news/202503041100/
新生児脳傷害によって失われた脳組織を再生させる治療法は無く、新たな治療法の開発が望まれています。本研究では、①ヒト新生児脳に特有の神経幹細胞である外側放射状グリアが、傷害後に増殖能を増強し、オリゴデンドロサイト前駆細胞の産生が増加すること、②細胞増殖や生存に関わるATF5シグナル経路が、外側放射状グリアの増殖能を制御すること、③ヒト新生児と同様の脳構造をもつ新生仔ブタにATF5シグナル経路を活性化する薬剤を経鼻投与することで、傷害部の白質再生と歩行機能の改善が促進されること、明らかにしました。これらの知見を発展させることで、新生児脳傷害の再生医療の実現化が期待できます。