薬学研究科准教授の河野先生らの論文がThe Journal of Neuroscience誌に掲載されました。

プレスリリース:https://www.nagoya-cu.ac.jp/press-news/202608251400/

Kohno T, Okino R, Li M, Hattori M
Myosin Va regulates terminal translocation in the neocortex by controlling the trafficking of Neuropilin-1.
The Journal of Neuroscience,: e2137252026. (2026)
DOI: 10.1523/JNEUROSCI.2137-25.2026. published 24 August 2026.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42637561/
https://www.jneurosci.org/content/early/2026/08/20/JNEUROSCI.2137-25.2026

Myo5a delivers the Reelin receptor Nrp1 to the neuronal cell surface, controlling neuron migration. The Journal of Neuroscience (2026).

大脳新皮質の層構造は、深部で生まれた神経細胞が表層へ向かって移動し、その最終段階であるターミナルトランスロケーションを経て配置されることで形成されます。この最終段階ではリーリン受容体Nrp1・VLDLRが必須の役割を担いますが、これらの受容体が細胞表面へ輸送される仕組みは不明でした。

本研究では、生きたマウス脳内でBioID法を用い、特定の時期・特定の細胞・細胞内の特定領域に局在するタンパク質を網羅的に検出することで、モータータンパク質Myo5aを同定しました。Myo5aは、Nrp1を含む輸送小胞を細胞表面へ運ぶことがわかりました。この機能を阻害すると、Nrp1の表面発現が低下し、ターミナルトランスロケーションおよび樹状突起形成に異常が生じました。Nrp1やVLDLRを過剰発現させるとこれらの異常は回復し、Myo5aによる受容体輸送がリーリンシグナルの受容に必須であることが示されました。本成果は、神経細胞移動における受容体輸送制御という新たな観点を提示するものであり、神経発達疾患や神経変性疾患の病態理解にも波及する可能性があると考えています。