細胞生化学分野講師の嶋田先生らの論文がNature Communications誌に掲載されました。
プレスリリース:https://www.nagoya-cu.ac.jp/med/media/pressrelease_202605291000.pdf
Shimada IS, Goto A, Hashimoto Y, Inoue H, Sugawara T, Doura T, Fujita T, Iwata T, Shimmoto R, Takase H, Itoh M, Kiyonaka S & Kato Y.
Light- and chemical-induced ciliary signaling governs dorsal/ventral regionalization of human telencephalic organoids
Nature Communications, 2026.
DOI: 10.1038/s41467-026-73505-2
https://www.nature.com/articles/s41467-026-73505-2
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ヒトiPS細胞から作製した脳オルガノイドを用い、神経幹細胞の一次繊毛シグナルが、ヒト脳発生初期における細胞の領域性を決める仕組みを制御することを明らかにしました。一次繊毛は細胞外の信号を受け取る小さな細胞小器官です。本研究では、一次繊毛の因子であるARL13BやGPR161を失わせると、神経幹細胞が大脳皮質に近い性質を弱め、より腹側の脳領域に近い特徴を示すことが分かりました。
さらに、光操作で一次繊毛のcAMPシグナルを高めると、GPR161を失った細胞の性質が回復しました。また、化学遺伝学によりGPR161を一次繊毛の外へ移動させるだけでも、神経幹細胞の性質が変化しました。これらの結果は、一次繊毛内で分子がどこにあり、どのような信号を出すかが、神経幹細胞の運命を左右することを示しています。 この研究は、ヒトの脳が発生初期にどのように領域を決めるのかを理解するうえで重要です。また、一次繊毛の異常による発達障害や脳形成異常の理解にもつながる可能性があります。