Morishita Y, Takamura Y, Nishimura K, Yokoi Y, Ishihama Y, Idutsu R, Ono M, Matsumoto R, Hitora-Imamura N, Minami M, Nomura H
Infraslow histaminergic dynamics govern priming states to gate moment-to-moment memory accessibility
Neuron. 2026 Jun 11:S0896-6273(26)00411-3.
DOI: 10.1016/j.neuron.2026.05.019.
https://www.cell.com/neuron/fulltext/S0896-6273(26)00411-3
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42276055/

 同じことを思い出そうとしても、すぐ思い出せることもあれば、なかなか思い出せないこともあります。この「記憶へのアクセスのゆらぎ」が、脳内ヒスタミン神経のゆっくりとした活動変動によって左右されることを明らかにしました。マウスのヒスタミン神経活動をリアルタイムで読み取り、活動レベルが高いタイミングで記憶の手がかりを提示すると、低いタイミングに比べて、記憶に基づく行動が約40%多く見られることが分かりました。本研究は、記憶を思い出せない状態を考えるうえで、新たな視点をもたらすものです。記憶そのものが失われたのではなく、その時々の脳内状態によって、保存された記憶へアクセスしにくくなる場合があることを明らかにしました。本研究成果は、「知っているはずの名前が出てこない」といった、日常的にみられる記憶のゆらぎの理解につながる可能性があります。また、加齢や認知症などでみられる、記憶や認知機能が日や時間帯によって変動する仕組みの解明にも役立つことが期待されます。